GMOペパボの2021年12月期第2四半期決算をチェックするぽ。
最初に言っちゃうと、決算説明資料の1ページ目に書いてあることが結論ですわ。
そんな感じではあるんだけど、つらつらと中身を見ていこうと思いま~す。
参考
2021年12月期 第2四半期決算短信
2021年12月期 第2四半期 決算説明会資料
2021年12月期第2四半期決算説明会 質疑応答
決算説明会書き起こし
決算説明会動画
業績
単位:百万円 | 2021/2Q | 前期比 | 進捗率 | 利益率 |
売上 | 5,950 | 11.2% | 45.0% | |
営業利益 | 459 | -26.3% | 41.2% | 7.7% |
経常利益 | 470 | -29.3% | 41.7% | 7.9% |
純利益 | 362 | -8.1% | 45.5% | 6.1% |
まずは前期比で。
決算説明会動画の冒頭2分までの間で話がされているんだけど、売上は二桁の増収、営業利益はプロモ等の費用増加で26%減益。
純利益はジュゲム(ブログサービス)の事業譲渡があって8%減益にとどまった感じ。
利益率。
前期10%ぐらいあった事を考えるとあんまよくない。
進捗率。
2Qで売上の進捗って例年50%弱程度。若干弱いけど想定の範囲内かな。
一方で気になったのは営業利益の進捗率。2Qって2017年以降は60%ぐらい出てるんだよね。
それを考えると今回の41%って状況はとても弱く見えるんだけどん…。
どの事業が厳しかったの?
説明会資料28ページの所でセグメント別にみると、EC支援とハンドメイドが想定を下回ったと解説がある。
巣ごもり2年目で今期は成長率が落ちる事を想定はしていたけど、その落ち込み方が思っていた以上に大きかった。って感じみたい。
質疑応答でも進捗状況を踏まえて、下期は売上の拡大と利益の拡大のどちらを重視するのかって質問がありました。
上期はプロモーションや人員増強でコストが大きかった。下期も急にコストを減らすではないが、コストコントロールをしっかりしていきたいって説明。
ここから後半戦!どう対策していくの?
説明会動画の11分以降ではSUZURIとminnneの課題について、どのように現状を分析して、どのような対策を行うのかが解説されてる。
明らかに進捗が弱い中で、その見えている課題に対して説明があるのはありがたいね。
ま、ぶっちゃけ数字での巻き返しはかなり難しいと思う。これはしゃーない。
巣ごもり需要は一過性という事で、改めて地道な成長を目指して欲しい。
ところで、SUZURIやminnneはゴリゴリプロモーションにコストをかけてるけど、その辺の効果的なやり方について知見やノウハウってのはどれぐらいあるんだろうか。いや、どれぐらいって言っても難しいけどさ。
一応カラメルの運営実績とかカラーミーショップオーナーへのアドバイスもあるだろうから一定のノウハウはあるんだろうけど…。どうなんでしょうね?
GMOインターネットグループとしてもECのマーケット運営って無いもんね。多分。
いや、なんでそういう事を思ったかと言うと、SUZURIやminnneのEC分野、フリーナンスのファクタリング・保険って分野だとペパボよりも大きな先駆社があるじゃないですか。
そういった所出身でペパボの文化にあった人がいたら良いんだけどな。どうなんだろうな。と思ったりした訳です。
2020年12月期と2Q同士を比較
単位:百万円 | 2020/2Q | 2021/2Q |
売上 | 2,954 | 3,039 |
営業利益 | 429 | 225 |
経常利益 | 425 | 237 |
純利益 | 266 | 177 |
改めて2Q同士、QonQで見てみましょう。
プロモーション費用ががっつりかかってて、それでいて売り上げもさほど増えていない。
2021年12月期 第2四半期 決算説明会資料の6ページと、2020年12月期 第2四半期 決算説明会資料の7ページにあるグラフを並べて見るのもオヌヌメ。分かりやすいと思う。
ロリポップ
増収増益。契約件数と単価が成長してる。
微増だけど、前向きに評価できる。いいね。
ムームードメイン
増収増益。契約件数の減少を単価の上昇でカバー。
ドメインはそういう傾向で進むんだろうな。
ホントはアハモとか後は格安スマホの人がムームードメインで自分のメールアドレスを作ってくれると嬉しいけどね~。
世の中はそういう流れではないらしい。
国民総ムームー民な世界。どっかでワンチャン無いかなぁ。
カラーミーショップ
増収増益。
単価若干減少も、契約件数増加。
これはフリープランの導入による結果みたい。
結局去年、新規で目を見張るような契約の増加が無かったから、今回契約件数が伸びたってのは良いニュースだと思うよ。結構。かなり。
今後はフリープランで新しいお店も加わって、共に事業成長を目指して欲しいっすね。
よむよむカラーミーとかカラーミーショップch.とかのコンテンツもあるけど、フリープランで始めたお店を軌道に乗せるお手伝いをどうするか。
改めて今後はそこもしっかりやっていく必要があると思う。
ホスティングはさ~、ユーザー各自が好き勝手やるイメージだけど、ECはそうじゃないと思うんだよね。
完全素人の方がとりあえずで始めるケースも案外多いんじゃない?そこで手探りってのはしんどい。
そいえばフリープランの競合のBASEはバンバンCMをやってたけど、ペパボはCMしないんですかね?
ま、当然、対費用効果を考えて「最適な方法は常に多角的に考えています。」だとは思う。
個人的にはCMってお金かかるから、別のアプローチの方が良いって安易には思うけど…。
どうなんでしょうな~。
最後に開発の中の人のお話が読める、おすすめ記事を1つ紹介するぽ。
カラーミーショップの一大プロジェクトを任された新卒生え抜きメンバーが語る「フリープラン」でつくる未来
SUZURI
増収減益。営業利益が前年比50%減が目立つ。
流通額は過去最高を更新で会員数は順調に増加。
単位:億円 | 20202Q | 20212Q | 前期比 |
売上 | 6.3 | 7.8 | 23.8% |
営業利益 | 1.4 | 0.7 | -50.0% |
決算説明資料を元に、第2四半期会計期間で前年と比較(QonQ)した表がこちら。
減益要因としてはプロモーション・人員強化。
minnne
減収減益。
単位:億円 | 2020年2Q | 2021年2Q | 前期比 |
売上 | 5.5 | 4.7 | -14.5% |
営業利益 | 1.4 | 0.5 | -64.3% |
決算説明資料にグラフはあるけど、QonQのこの数字。激しく見えるよね…。
マスク需要・巣ごもり需要が大きく減ったのが売上減の要因で、そこからプロモーション費用が重しだった。ってな感じ。
1Qで伸びた割に2Qで弱い件。
これは質疑応答に答えがあって、要はプロモーションと季節イベントがあった反動みたい。
「2021年1Qの流通額は、2020年4Qにプロモーションを実施した効果に加え、4月入学シーズンの影響もあり、拡大が見られました。」との事。
しかしminneも目先の数字を考えてみると…、ちょっと厳しめだよなぁ。
マスク需要が消えて、業界としての巣ごもり需要も縮小。短期的外部環境は逆風に。
更にもう一つ、季節性。3Qは2Qより弱い傾向があるっぽいんだよね。
詳しくは過去の決算説明資料で。
参考:2020年12月期 第2四半期 決算説明会資料
参考:2018年12月期 第2四半期 決算説明会資料
そんな感じで目先、3Qの数字は弱いんじゃないかな~。と。
フリーナンス
増収赤字幅縮小。
利用者は順調に増えている。
請求書買取額も順調に増えてる。
赤字幅も縮小傾向が続いてるし、損益分岐点越えをじっくり目指して欲しい。
メルカリShops(競合?)
あまり影響はない見込み。
と、質疑応答にてご回答。
感想
何とか前年同期比増収だけど、巣ごもり需要は一定の落ち着きを見せて収束。
プロモーションのコストインパクトが大きい。
って、結局は決算説明資料の1ページ目に書いてある通りですな。
一応個人的な予想をしておくと、今後数字としては会社予想に比べて厳しいものが出てくると思う。
株価
発表翌日2021年8月6日のSBI証券のPST株価。
3,990円。基準値比 -95 (-2.33%)
出来高200株。
コメント