投資(企業調査)

アリアケジャパンへの投資を考える

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天然調味料でトップランナーであるアリアケジャパンへの投資を考えます。

直近決算資料

2020年3月期 決算短信
2020年3月期 決算説明会資料

経営理念

完全オートメーションと研究開発で世界の食文化に貢献する。
リンク:経営理念

今のアリアケジャパンの事業の進み方を表現している経営理念だと思う。

(「食の安全」と「高品質」で)世界の食文化に貢献する
そのために完全オートメーションと研究開発を重視して経営する。

そんな感じかな?

IR姿勢

最近は決算説明資料質疑応答の要旨を公開していて機関投資家と個人投資家の情報格差をなくす姿勢に好感触。
IR説明会資料のページより。

特に質疑応答の要旨が公開されているのはありがたいね~。
めっちゃ嬉しい。

業績


リーマンショックで落ち込むも赤字は無し。

アメリカ子会社を売却(2019年3月期)した特別利益の反動で、2020年度は純利益が大きく前年比でマイナス。

採算を重視した販売戦略に基づき、選択と集中を実践している。って話も聞けるけど、その結果としての営業利益率は高位安定中。
食品セクターの中でも高いんじゃない?

2003年から2010年へ向かっては利益率が下がって、そこからジリジリ上げてきている利益率の推移。
この利益率が下落傾向にあった時期の背景は確認したいけど、この時期の決算単信・有価証券報告書って会社HPにアップされてないんだよね。
タイミングとしてはリーマンショック(消費低迷)もあるけど、ヨーロッパに法人を設立したり、九州に新工場も作ったり。ってのは沿革から確認できる。
拠点・設備・人員の観点による投資が増えて利益率が落ちた?と推測は出来るけどどうだろう?

限界利益は 40%目標
平成30年3月期 決算説明会 質疑応答の要旨(2018年5月11日)

海外の営業利益

ここ7年の海外の営業利益の推移はこんな感じで成長トレンド。
・アジアが一番大きい。
・アメリカは売却でなくなる。
・ヨーロッパは黒字化して成長継続。

データ

2014201520162017201820192020
米国4.53.19.611.114.914.71
アジア6.28.212.214.216.316.517.8
欧州-8-4.5-0.32.33.35.38.9

配当金

増配傾向。
DOEを3.0%、ROEを長期的に12%以上を目標として設定。(有価証券報告書より)

米子会社ARIAKE USAの売却

アメリカは競争が激化して原材料の調達も激化する方向。
平成30年12月21日開催「株式譲渡に関する主旨説明会」の主な説明内容及び質疑応答内容の要旨

米国では2017年にアマゾンがホールフーズを買収してから市場環境が劇的に変わった。
平成31年3月期 決算説明会 質疑応答の要旨(2019年5月13日)

売却先企業はARIAKE USAの重要顧客のKerry社。
今後はKerry社と協業する方向を模索。
難しいアメリカから撤退し、売却資金は中国・アセアンへの投資に充てるイメージ。

採算を考え選択と集中

価格勝負になるアメリカからは撤退を決意。
消耗戦になるアメリカで時間とコストを浪費するより、勝てる可能性のあるエリアを開拓して支持をガッチリ高めにいく。
アリアケジャパンの採算を重視する戦略を考えても正しく思う。

ただ、巨大市場のアメリカを捨てる選択が将来的に正しかったかとなるかは当然分からない。
アメリカで勝てないで世界が取れるのか?と、そんな考えもあると思う。

食品製造業

天然調味料の製造を完全自動化で工業化している。
外食、加工食品産業(即席麺・レトルトカレー等)、中食(コンビニ・スーパー等)向けに展開。
近年は相対的に中食が伸びている。

リーマンショック、コロナショックでは業績に影響があった感じ。
2021年3月期の会社予想は非開示。

日々消費される食品のベースとなる調味料を製造している。
自分は日々消費されるモノを作っている会社は強いと思ってて、アリアケジャパンはそういう枠に入る会社だと思う。
分かりやすい所で生活必需品や医療消耗品。

品質が高く、差別化されている。

販売先

販売分類製品例
即席麺メーカースープベース
外食和洋中ソース・スープ・ブイヨン
食品加工業カレールー、加工肉
輸出物海外向け

意欲的

天然調味料専業メーカーから、総合調味料メーカーへ広く事業展開を目指す。
との事。(総合調味料メーカーとは何ぞや?)

売上1000億円を目指すなど、成長意欲ゆいんゆいん。

デリバティブ

有価証券報告書によると「デリバティブ取引は、原材料コストを安定化する目的で利用し、投機目的では利用しておりません。」との事。

海外の子会社から原材料を調達したりする関係で発生する為替リスクを、デリバティブの活用で安定的にするって事だと思う。

ただ、為替取引のある会社への投資って事で、行き過ぎた急変動があった場合はどのような影響が出るか注視する必要はあるかなと。

株主優待

過去に優待を出していて、一度取りやめて。そして今また優待を再開した経緯があるそうな。
2006年に1年以上の保有を前提に。
2012年に優待廃止。(アリアケジャパン、株主優待廃止!
2017年に優待再開

株主総会の様子

報告事項は田川社長らによる「読み上げ」系(スライド無し)。
強烈な創業者(岡田甲子男 特別相談役)が退いたこともあり、ある程度事務的な進行になってしまうのは仕方のない部分かなとは思いますが…。

アリアケジャパン株主総会2019(1)(★★★☆☆)~19年6月長崎県アリアケジャパン総会旅行記その10より

「了解!」の掛け声や、タイミングの良過ぎる拍手も含めて、いかにも昔ながらの総会でした。

アリアケジャパン株主総会2019(1)(★★★☆☆)~19年6月長崎県アリアケジャパン総会旅行記その10より

株主総会の掛け声と拍手はネガティブなイメージ持っちゃうわ~。
旧時代的な総会運営をしていて、それを指摘できる人も社内に居ないって見方も…。

ま、誰か懇親会で言ってあげれば良いと思うけどな~。
「今の時代アレは無いっすよ!」
って。

近年の機関と個人のIRギャップを埋める説明姿勢がとても良いと感じるだけにちょっと違和感。

参考記事

知られていない門外不出の技術で圧倒的存在の銘柄

アリアケジャパン株式会社 – 同志社大学大学院 ビジネス研究科

アリアケジャパン株主総会2019(1)(★★★☆☆)~19年6月長崎県アリアケジャパン総会旅行記その10

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